税理士の選び方や税金の基本について、自分で調べたことや経理の経験をもとに書いていくブログです。

青色申告と白色申告の違い|私が青色にした理由

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独立して最初の確定申告。私はほとんど何もわかっていませんでした。

「開業届は出したけど、青色申告って何?」「白色って何が白いの?」。こんなレベルだったんですよね。会社員時代は年末調整ですべて終わっていたから、確定申告なんて他人事。それが独立した途端、全部自分でやることになる。

結局、1年目は白色申告で乗り切りました。正確には「乗り切った」じゃなくて「それしか選べなかった」が正しい。青色申告承認申請書を出し忘れていたので、そもそも青色にする権利がなかったんです。当時の自分に教えてあげたい。

2年目に税理士さんのアドバイスで青色に切り替えてから、「なんでもっと早くやらなかったんだろう」と何度も思いました。

この記事では、青色申告と白色申告の違いを私自身の体験も交えて書いていきます。これから独立する人、まだなんとなく白色のままの人に、少しでも参考になればうれしいです。

青色申告と白色申告、ざっくり何が違う?

確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。どちらを選ぶかで、控除額も手間も大きく変わる。個人事業主なら最初に押さえておきたいポイントです。

一覧表で見るとわかりやすい

主な違いを表にまとめました。

項目青色申告白色申告
事前の届出必要(青色申告承認申請書)不要
記帳の方法複式簿記(65万円控除の場合)簡易簿記(単式簿記)
特別控除最大65万円なし
赤字の繰越3年間OKできない
家族への給与全額を経費にできる上限あり(配偶者86万円まで)
提出する書類青色申告決算書収支内訳書
少額資産の特例30万円未満は一括経費化OK10万円以上は減価償却が必要

ひと目でわかるのは、青色申告の方が節税メリットが大きいということ。その代わり帳簿や書類の面で手間がかかります。

「白色は簡単」は昔の話

「白色なら帳簿つけなくていいんでしょ?」と思っている人、まだいるかもしれません。これ、2014年に変わりました。

今は白色申告でも、事業を行うすべての人に記帳と帳簿保存が義務づけられています。国税庁の解説ページにも明記されていますが、売上・仕入れ・経費を帳簿に記録して7年間保存しなければなりません。

つまり、どちらを選んでも帳簿はつける。それなら控除がもらえる青色の方が得じゃない?という話になるわけです。

青色は「面倒」の壁さえ超えれば得しかない

青色申告が敬遠される最大の理由は「複式簿記」。借方・貸方とか仕訳とか、聞いただけで逃げたくなりますよね。私もそうでした。

ただ、今はクラウド会計ソフトが優秀です。freeeやマネーフォワード、弥生など、日々の取引を入力すれば自動で仕訳してくれる。「複式簿記」と身構えるほどの壁は、正直もうないと思います。

青色申告でもらえる控除はどのくらい?

青色申告の一番の魅力は特別控除。でも「65万円控除」と聞いても、実際に税金がいくら安くなるのかピンとこない人は多いはずです。

65万円・55万円・10万円の3段階がある

青色申告特別控除には3つのランクがあります。

  • 65万円控除:複式簿記で記帳し、e-Taxで電子申告するか電子帳簿保存をしている
  • 55万円控除:複式簿記で記帳しているが、紙で申告する
  • 10万円控除:簡易簿記で記帳している

最大の65万円を受けるには、e-Tax(電子申告)か電子帳簿保存が条件です。詳しい要件は国税庁の青色申告特別控除のページにまとまっています。

マイナンバーカードとパソコンがあればe-Taxは使えます。65万円控除のハードルは思ったほど高くありません。

実際にどのくらい税金が変わるのか

数字で見てみましょう。事業所得が400万円の個人事業主の場合です。

項目白色申告青色申告(65万円控除)
事業所得400万円400万円
青色申告特別控除なし−65万円
課税対象となる所得400万円335万円

所得税は累進課税なので正確な金額はケースによりますが、ざっくり計算すると所得税で約10万円、住民税で約6.5万円の差が出ます。合わせて年間16万円前後の節税。毎年のことですからね。

私がサロンを始めたころ、年間所得は300万〜400万円くらいでした。1年目から青色にしていれば十数万円は浮いていたはず。今思うと本当にもったいなかった。

2027年からは最大75万円控除に

もう一つ押さえておきたいのが、今後の変更点。

令和8年度の税制改正大綱で、青色申告特別控除の見直しが決まりました。2027年(令和9年)分から、e-Taxでの申告と優良な電子帳簿保存の「両方」を満たせば、控除額が75万円に引き上げられます。

これまでの65万円は「e-Tax or 電子帳簿保存」のどちらかでOKだったのが、75万円は「両方」が条件。ハードルは少し上がりますが、クラウド会計ソフトを使っていれば電子帳簿保存の要件はクリアしやすい。今のうちから準備しておく価値はあります。

青色にしかないメリットをもう少し詳しく

特別控除が注目されがちですが、青色申告にはほかにも白色にはないメリットがあります。

赤字を3年間持ち越せる

事業で赤字が出た場合、青色申告なら翌年以降3年間にわたって繰り越せます。翌年に黒字が出たら、前年の赤字と相殺して課税所得を減らせる仕組み。

開業初期の人にはかなり大きい話です。独立1年目はどうしても初期投資がかさんで赤字になりやすいですよね。私も内装工事や備品の購入で、1年目はしっかり赤字でした。

白色だとこの赤字は持ち越せません。翌年に黒字が出ても、前年の赤字はなかったことになる。もったいない。

30万円未満の備品を一括で経費にできる

青色申告者には「少額減価償却資産の特例」があります。取得価額が30万円未満の備品なら、買った年に全額を経費にできるというもの。年間合計300万円が上限です。

サロンをやっていると、施術ベッドやスチーマー、美顔器など、10万〜20万円台の備品をよく買います。白色の場合、10万円以上は耐用年数に応じて少しずつ経費にする「減価償却」が必要。青色なら一括で落とせるので、その年の節税効果がダイレクトに出ます。

設備を買い替えるタイミングが多い業種ほど、恩恵は大きい。

家族に払う給与を全額経費にできる

家族に仕事を手伝ってもらっている人は多いと思います。青色申告なら「青色事業専従者給与」として、支払った給与を全額経費にできます。適正な金額であれば、上限はありません。

一方、白色申告の「事業専従者控除」には上限があります。

  • 配偶者:最大86万円
  • 配偶者以外の家族:1人あたり最大50万円

たとえば配偶者に月15万円を払えば年間180万円。青色なら全額を経費にできるのに、白色では86万円までしか控除されない。差額の94万円に課税される計算です。

うちのサロンでは夫に経理を手伝ってもらっていた時期があって、この制度にはかなり助けられました。

それでも白色申告を選ぶ場面はある?

ここまで読むと「全員青色でいいじゃん」と思いますよね。実際、ほとんどの個人事業主には青色をおすすめします。ただ、白色にも出番がないわけではありません。

副業レベルや所得が少ないうちは白色もあり

会社員をしながら少額の副業収入がある場合。事業としての規模がまだ小さく、所得も少ないなら、白色でも大きな差は出ません。

また、開業したばかりで年内の所得がほぼゼロに近い場合も、65万円の控除があっても引ける所得がない。こういうケースでは白色で簡易に済ませるのも一つの手です。

とはいえ、本格的に事業を続けるつもりなら初年度から青色にしておくのがベター。赤字の繰越ができるだけでも十分なメリットがあります。

「とりあえず白色」で始めた私の反省

私の場合、開業届は出したのに青色申告承認申請書のことをまったく知りませんでした。開業届と一緒に出すものだと後で知ったときの衝撃。

青色申告承認申請書には提出期限があります。新たに事業を始めた人は、開業日から2ヶ月以内。この期限を過ぎると、その年は自動的に白色申告になる。私はまさにこのパターンでした。

「確定申告のことを調べなきゃ」と動き出したのが年末。完全に手遅れ。サロン仲間にも同じ失敗をした人がいて、「あるあるだよね」と慰め合った記憶があります。

青色申告を始めるための手続き

「来年から青色にしたい」と思ったら、やることは意外とシンプルです。

開業届と青色申告承認申請書はセットで出す

これから開業する人は、税務署に「個人事業の開業届出書」と「所得税の青色申告承認申請書」を一緒に出しましょう。提出期限はこの2パターン。

  • 新たに開業した場合:開業日から2ヶ月以内
  • すでに白色で申告している場合:青色にしたい年の3月15日まで

書き方は難しくありません。国税庁のサイトに申請書の様式と記載例が公開されています。e-Taxからオンラインで提出もできます。

とにかく期限だけは絶対に忘れないでください。カレンダーに入れるくらいでちょうどいいです。

会計ソフトは早めに入れておくのが吉

青色申告を選ぶなら、会計ソフトはほぼ必須。手書きで複式簿記をやるのは、簿記の資格でも持っていないかぎり現実的じゃありません。

代表的なクラウド会計ソフトは以下の3つ。

  • freee
  • マネーフォワード クラウド確定申告
  • やよいの青色申告オンライン

どれも年間1万〜2万円台で使えます。銀行口座やクレジットカードと連携すれば取引の大半は自動で取り込まれるし、領収書をスマホで撮って読み取る機能もある。日々の記帳はかなり時短できます。

私は最初freeeを使って、途中でマネーフォワードに乗り換えました。どちらも悪くなかったですが、操作感は好みが分かれます。無料お試し期間で触ってみるのがおすすめ。

税理士は必須じゃないけど、いると心強い

会計ソフトがあれば、税理士なしでも青色申告はできます。実際にソフト1本で確定申告まで済ませている人はたくさんいる。

ただ、私は2年目に税理士をお願いして本当に楽になりました。帳簿のチェックや節税のアドバイスがもらえるのは大きい。「この処理はこっちの方が得ですよ」なんて、自分じゃ気づけないことも多いんですよね。

費用はかかります。個人事業主向けの顧問料は月1万〜3万円が相場で、確定申告だけのスポット依頼なら5万〜15万円くらい。「控除で浮いた税金で税理士代をまかなう」くらいの感覚でいると、ハードルは下がるかもしれません。

ちなみに、最初に契約した税理士とは相性が合わず1年で変えました。合わないと感じたら変えていい。今の税理士さんとは3年以上の付き合いで、事業の相談にも乗ってもらっています。

私が青色を選んだ3つの理由

制度の話だけでなく、私自身がなぜ青色にしたのか。実感として伝えたいことがあります。

1年目の税金に衝撃を受けた

白色で申告した1年目。出てきた税額を見て固まりました。「え、こんなに払うの?」と。

会社員時代は給与から天引きされていたから、税金の実額を意識したことがなかった。でも個人事業主は自分で払います。所得税だけじゃなく、住民税も国民健康保険料も。一気に請求が来る。

このとき初めて「控除って大事なんだ」と実感しました。65万円の控除があるだけで十数万円は変わる。でもその年の控除はゼロ。数字を見比べて、かなり悔しかったですね。

周りの個人事業主が「青色一択」だった

サロン仲間やフリーランスの知り合いに聞くと、ほぼ全員が青色申告でした。「白色にするメリットって何かある?」と聞いたら、「ないよ」の一言。即答。

確定申告の時期になると自然に「どの会計ソフト使ってる?」「税理士はどこ?」みたいな話になります。そういう情報交換の中で、「青色にしない理由がない」と腹落ちしました。

ひとりで悩んでいると踏み切れないことも、同じ立場の人の話を聞くと動ける。独立してから何度も感じたことです。

税理士と会計ソフトで帳簿の壁が消えた

青色に切り替える一番の不安は「複式簿記、自分にできるのか」でした。簿記の知識ゼロ。仕訳帳とか総勘定元帳とか、言葉だけで頭がぐるぐるしていた。

でも税理士さんに「ソフトに入力してくれたら、あとはこっちでチェックしますよ」と言われて気が楽になりました。実際にやってみると、日々の入力は「日付・金額・勘定科目」を選ぶだけ。仕訳はソフトが自動でやってくれます。

「複式簿記が怖い」という理由だけで白色にしているなら、一度会計ソフトを触ってみてください。拍子抜けするくらい簡単です。

まとめ

青色申告と白色申告、迷うなら青色。これが私の正直な結論です。

最大65万円の控除、赤字の繰越、少額資産の一括経費化、家族への給与の経費計上。白色にはないメリットがこれだけ揃っています。クラウド会計ソフトの普及で、複式簿記の壁もほぼなくなりました。

最初の一歩は、開業届と青色申告承認申請書を出すこと。それだけで翌年の確定申告が変わります。

「知らなかったから白色にしちゃった」という人が少しでも減ったらいいなと思って、この記事を書きました。確定申告は毎年のこと。早く動いた分だけ、ちゃんと返ってきます。



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